SOLUTION 01

契約後破談の危機も諦めずに突破

~多数の関係者との難しい交渉も丁寧な対応によって、破談の危機を回避~

担当コンサルタント:山本 洋平

予期せぬトラブルも信念をもって丁寧に対応

物件の調査、購入者への説明でアクシデントがあり、危うく破談しそうになる、との危機を経験されたそうですね

山本:ご迷惑をおかけしたのは、以前にも私にご依頼をいただいたお客様で、今回はご所有の遊休資産売却のご依頼でした。その方は、当社の新築分譲マンションも購入いただいており、当社にとって非常に大切なお客様です。トラブルの内容は、道路の接道のことでした。取引前の役所調査で確認した内容を買主様にご説明し、契約に至りましたが、窓口担当者も把握していなかった特殊な運用をされていることが後(引渡し前)になって分かり、結果的に買主様に不正確な説明をしていたことになってしまいました。

具体的にはどう対処したのですか。

山本:買主様からは、契約の白紙撤回を申し出られても仕方のないくらいの事態でした。しかし、元々物件に少々特殊性があったことから、苦労して今回の買主様をお探しした経緯もあり、破談にして売主様にご迷惑をおかけできないと覚悟し、まずは買主様への十分な事情説明を行いました。その結果、買主様にはしばらくお待ちいただけることになりました。その上で、役所や物件近隣の方との協議に注力しました。ただ、その物件の接する道路は、都道府県の土木事務所と地元自治体の二者が関係する道路であったことや、道路問題の是正にあたっては、利害関係が発生する物件近隣の方が10名ほどいらっしゃったこともあり、関係者が非常に多く、協議・調整に手間取りました。当初は役所も困惑気味で、解決するには数年単位の時間を要するというスタンスでしたが、本来何の問題もなかった道路が現時点では特殊な運用が行われていることの問題や、同じトラブルが周辺の不動産取引の際に必ず起こることを日参して丁寧に説明し、売主様、物件近隣の方、測量士のご協力を得て、ひとつひとつ課題を解決しながら進めました。途中、売主様・買主様には状況説明を行なっていましたが、専門的な内容であったため、説明の仕方を工夫しました。

努力の甲斐あって解決したそうですが、お客様(売主様)からのご評価はどうでしたか。

山本:お客様(売主様)には、問題解決のために、測量費などの追加費用のご負担が発生してしまったのですが、「元々、特殊な物件であり、仕切りなおして新しい買主様を探すのは困難だと考えていたので、契約が破談にならずによかった。感謝している」とのねぎらいのお言葉を頂戴し、とてもありがたかったです。トラブル発生直後は、調整すべき関係者が多数であることや解決までの所要時間が読めないなか、不安な気持ちと売主様・買主様にご迷惑をかけてはいけない、との申し訳ない気持ちで頭が混乱しました。しかし、不動産取引の専門家である自分が頑張らねば、と自分を鼓舞しながら、上司や同じ職場の同僚、他部署の支援も受けながら、何とか乗り切れたことは非常に貴重な体験でした。これからも不動産取引には予期せぬアクシデントが起こりうることを肝に銘じ、お客様のご期待を裏切らないとの信念をもって仕事に取り組みたいと思っています。